老人インサイト⑩ 老人は何故お金を溜め込むのか
老人は何故お金を溜め込むのかについてずっと考えている。
まさかの物入りの時のために。
それは正解だが、これは年代を問わず人類の知恵だ。
老人はこれに、これからはフロー所得を大して稼げないからという大いなる懸念が重なり、どうしてもお金の出費に慎重になる。
何故、大して稼げないと感じるのか。社会の制度の問題もあるが、根底には、体力や記憶力の低下を自覚しているからだ。
つまり、体力も気力も充実している人生上り坂の若者に対し、将来動けなくなったり、認知症になったりして、人の介護を受け、そして死んでいくしかないという下り坂の人生を自覚している自分との対比がある。
これからは人生100年時代と言われ、人の一生のうち、下り坂が格段に長くなる。
下り坂に入った時の人生設計は難しい。
アフター60のインサイト⑨ 浜三枝の至言
60代に入り、身の丈に会う暮らしを意識した。
台所を改築し、食器は子供に譲り、調理道具も減らした。服も若い人にあげた。
すると、むしろ料理がしやすくなり、服のコーディネートにも迷わなくなった。
昨年70代になって、初めて気づいた感情がある。それは「孤独」だ。
「仕事にも恵まれた。家族もいる。でも内面を振り返ってみると、結局、人はひとりだと思うのです。」
・孤独を知るのは、老いのつらさの一つでは?
「いいえ。孤独ってすごくすてきなこと。自分自身よく知ることだから。
子供には子供の、孫には孫の世界がちゃんとある。
孤独を受け入れて、今日をどうやって幸せに生きるかを考える。
今日一日がありがたく感じられ、周りの人を、より愛することができると思うのです。」
自分より少し年下の女性には美術館へ行くことを勧める。短時間で気分を変えられるから。
朝日新聞( 2014年12月28日)「人生充実」で
アフター60のインサイト⑧ 『生活の優先順位がわからなくなる』
アフター60になると、さしあたってのやることがないことがなく、
「さて、今日はどうやって過ごそうか。」というタイプと
むしろ、「ああっ、ここに行かなくちゃ、あれもやらなきゃ。」とThings to Doが満載なタイプの両方がいる。
しかし、双方ともに共通なのが、やるべきことのプライオリティがはっきりしないこと。
現役時代は、何はなくとも、一に仕事(or 会社)というプライオリティがはっきりしていた。
それはそれで、「しなければならない」というストレスを抱えていたものの、少なくとも、今日する事の優先順位ははっきりしており、
それを終えれば、ひとまず達成感があった。
ところが、アフター60になると、この優先順位が曖昧になることで、
一日が終わると、「ああっ、今日はあれもできなかった、これもできなかった。」というフラストレーションが溜まる。
アフター60からは、「未知の世界への突入」
「アフター60からは未知の世界への突入」
そして、「衰えていく心身を、夫婦二人で一人になって乗り越るぜ。」
という60代後半、いわゆる団塊の世代の先輩の言葉には重みがあった。
僕自身、アフター60の生き方は千差万別であることを自覚したと共に、
各人に今迄の人生経験を踏まえた矜持があるのだと思った。
だから重みがある。
振り返ってみれば、20代から50代までは、会社というレールの上に乗っていたので、
そういう意味での安心感があった。
逆に言えば、未知感はなかった。
でも、今はある。
アフター60のインサイト⑥ 「男女の性差むき出し」
結局、老人になると男女の性差というのがむき出しになる。
ちなみにこれはセックスのことを言ってるのではない。
長年連れ添っていると、趣味にしても、好きな番組にしてもお互いの好みの違いがはっきりし、性差が全面に出ること。
例えばTV番組で言うと、
女性は「羽生君のフィギュアスケートを見たい。」と主張するのに対し、
男性は、「いや、NHKのニュース9は欠かせない」と譲らなかったり、
男女では明らかに興味対象が違ってくる。
そして、そのことを躊躇せずに主張するようになる。
このことは、マーケティングでも留意したい。
例えば、お二人様住宅では夫婦別床が選べること、
TVやハードディスクも別々あった方がいい。